例会報告

第2249回例会(2024年3月5日) ゲスト卓話

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本日は、日田市 市民環境部 環境課 水・環境係 主幹(総括)江田政嗣様、主査 猪山千里様によるゲスト卓話です。
テーマは、「日田市の河川 水郷ひたの川を知る」です。
◆水郷ひたの由縁
 豊後国風土記(732年)
 郷(石井郷)の中に河あり、名を阿蘇川(大山川)という。その源は肥後国阿蘇郡小国(小国)の峰より出て、流れてこの郷に到る。すなわち玖珠川に通じ、会いて一つの川となり、名づけたという。年魚(鮎)多く在り。
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 郷(靭編郷)の中に河あり、名を玖珠川 という。その源は玖珠郡の東南のかたの山より出で、流れて石井郷に到る。
 阿蘇川(大山川)に通じ、会いて一つの川と為、いま日田川(三隈川)というは、これなり。
「豊後国志」(江戸中期)
 飛鳥の清見原宮に御宇しろしめしし天皇の御世、戌寅の年に大きなる 地震ありて、山こう裂け崩れて、この山(五馬山)の一つの峡、崩れ落ち、溢れる湯の泉、処々に出でたり。湯気さかんに熱く飯を炊くに早く熟す。
「豊後国風土記」では、大山川と玖珠川が合流し三隈川となること、日田の特産物のひとつである鮎が、多く捕れること を紹介しています。
「豊後国志」では、679年の大地震で温泉が湧き出たとの記載があります。
◆昭和の河川
 産業排水による水質汚染(有害物質)
 水俣病、イタイイタイ病など産業廃棄物による有害物質が原因
  ⇒昭和46年 水質汚濁防止法による規制
 生活排水による水質汚染(有機物や濁りなどの水質悪化)
 台所、お風呂、洗濯などの排水が原因
  ⇒昭和33年 下水道法
   昭和58年 浄化槽法などによる規制
 昭和28年 大水害
 6月25日~29日の連続雨量(5日間):大山川流域 960mm、玖珠川流域 880mm
 人的被害:死者・行方不明者19名 住宅被害:流失・全壊 664戸
  ⇒昭和30年代 松原・下筌ダムによる治水対策
◆生活排水処理率の向上 -下水道と合併浄化槽の普及
 昭和初期は汲み取りや単独浄化槽のみで、台所・風呂・洗濯排水などの生活雑排水の処理がされていませんでした。
 昭和 50 年代に入り、し尿や生活雑排水の処理が可能な下水道や合併処理浄化槽が普及するにつれ、生活排水処理率が増加し、河川の水質も向上していきました。
◆治水と水力発電による河川への影響
 治水を含む多目的ダムの建設・・・下筌ダム、松原ダム
 水資源を活用した水力発電所の建設・・・松原ダム発電所、柳又発電所、女子畑発電所、三芳発電所、石井発電所
◆清流復活運動
 平成10年 平成11年3月の松原ダム発電所、柳又発電所の水利権更新に伴い、民間団体や大山町による水量増加運動開始
 平成10年からおよそ20年にわたる清流復活運動により、大山川の増量実現と高瀬川分水路の整備が行われました。
 ひた水環境ネットワークセンターHPより「水量増加運動の経緯」
◆河川をきれいにする取り組み
 河川水質汚濁監視
 河川水質改善:生活排水対策
 上流域と連携した生活排水処理率向上による河川水質改善の取り組み
 河川水質改善:事業所排水対策
 河川環境改善及び維持対策
 「水郷ひた河川を美しくする条例」令和3年4月施行
日田では、「水郷」を「すいごう」ではなく「すいきょう」と呼びます。
みんなで水郷ひたの河川を守りましょう!
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